宵衣堂は、宮崎県北西部に位置する椎葉村(しいばそん)の神楽装束の復元を進めております。
日本三大秘境に数えられる当地域には古くからお神楽が伝わり、
現在でも各集落ごとで上演され続けております。
今回復元する装束は村内の古枝尾集落のもの。
今現在使われている装束は戦前に地元でつくられたと伝わり、
長らくの使用で痛みがひどく補修も限界に達しておりました。
加えて使用される生地は大麻布。かつては当たり前に作らえていたものですが
現在では糸作りや織りの技術も途絶えてしまってしまい、新たに準備することが難しい状況でした。
そこで他の地域に反物として伝世した大麻布のご提供を受け、
神楽装束(上衣)2領を新調するべく準備を進めております。
完全な復元とはいかないまでも、仕立て寸法や技法は古式にのっとり、
縫い糸も可能な限り当時と同じものを準備して縫製を進めます。
百年前の装束が現在に伝わったように、今回の装束が椎葉の文化とともに次の百年も
続くことを願ってやみません。奉納は4月上旬の春祭りを予定、どうぞご期待ください。
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