青森県弘前を中心にした、「こぎん」という衣服が伝統的に作られてきました。
それは大麻布に白綿糸を施したもので、刺し子による補強や保温という実用面だけに留まらず
濃紺の生地に白の幾何学文様が浮かび上がり、こぎんに特有の美しさを醸し出します
驚くべきことに、これらを作っていたのは一般の農家の人々。
職人的なものづくりではなく、幼い頃から針と糸を持たされたそうで、
「美しいこぎんを刺せないと嫁に行けない」と言われる程に、生活の中の当たり前の技術でした
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また使用者が年齢を重ねてくると、紺地に鮮やかな白のこぎんを身につけるが気恥ずかしいとされ、
紺屋に持ち込み、浅葱色や濃紺に染めて着用するという風習がありました。
年配者のおしゃれ着として着用したことから別名「アバ(老人)こぎん」とも呼ばれています。
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