「染織史講座」 でお伝えしたいこと

「季刊 染織と生活」は1973年の創刊、

そこから「月刊 染織α」「染織情報α」へと形を変え、

2020年に休刊となるまで計47年間・490冊にも渡り

発行されて続けてきた、非常に稀有な雑誌でした

 

そこには数千件にも及ぶ膨大な記事が掲載されており、

多種多様な専門分野の方々が寄稿され、記事のジャンルや分野・技法

伝統染織から手芸・クラフト、アート分野まで多岐に渡っています

 

ただ「染織α」には非常に貴重な情報が掲載されているものの、

必要な情報が見つからず、非常にもどかしい思いをされた方は

私だけではなかったことかと思います

 

 

改めて媒体としての「雑誌」の特性を考えてみると

その時々にとって旬となる話題が多く掲載され、

書籍に比べて”速報性”が強いことに気付かされます

 

加えて毎月発行されるものですから、長期連載の記事を

書籍化することはあっても、索引や目録といった

記事自体を引くためものが整備されることはまずありません

 

編纂作業を始めた当初

「他の有名な雑誌ならば目録が作られているのでは?」

 

と思い調べてみたのですが、総集編や◯◯記念号、保存版などの

企画として雑誌記事を再編集しているものは幾つかありましたが、

ついぞ目録としてのものは見つけることが出来ませんでした

 

雑誌という媒体の特徴によるところが大きい模様です、これは大きな盲点でした

 

 

そうした状況のため、長く続いた雑誌であればあるほど

有用な記事が埋没し、死蔵されてしまう状況になりがちです

 

そこで今回の講座では、”情報の宝庫”である

「染織と生活」「染織と生活」「染織情報α」の三誌に、

どの様な記事が掲載されてきたのか、その全体像を探っていくものです

 

どのような専門分野について書かれ

どのような寄稿者が名を連ねているのか、

実社会とリンクしている掲載記事から何が読み解けるのか、

 

その背景にも迫って参ります