【『季刊 染織と生活』創刊の70年代という時代性】

染織専門誌『季刊 染織と生活』の創刊は1973年、

当時はベトナム戦争の停戦交渉が難航している頃であり

第一次オイルショックが発生した年

 

また別の視点で見てみると、

70年の大阪万博が大盛況のうちに閉会し、

60年代から顕在化した公害問題に対する法整備が

ようやく進み始めた頃でもありました

 

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昨年「染織α 主要記事目録」を出版しましたが、

その編纂作業のなかで、70年代の公害への認識と

現在の環境への危機感は似て非なるものであり、

同じ感覚を有しているわけではない、と気づいたのです

 

それは、それぞれの背後にある構図や問題が異なり、

指しているものの範囲や概念が違うからであり、

また直接対応する語彙がなく、

一言で言い表せない事ためでもあります

 

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では70年代の公害への認識から、どの様な変遷をへて

現代の環境危機意識へと変化していったのだろう?

 

そんな素朴な疑問を持つに至りました

 

今回から始まる「宵衣堂 染織史講座」では

約半世紀に渡って出版され続けた

「染織α」の掲載記事を手がかりに

「染織と環境問題」について講義を進めてまいります

 

「染織α」と深く向き合った編者だからこそ語れる

その雑誌の価値、どうぞご期待下さい!