プレ講義から始まって丸一年半、無事に全講座を終えることが出来ました
コロナ禍の中で手探りの開講となりましたが
まずは無事に講義を終えられたことに安堵しております
本染織史講座では、これまでに三つのテーマについて講義
「染織と環境問題」 「衣料の主要素材の変化」 「衣・食・住の激変」
それぞれの視点から現代の立ち位置を明らかにした上で
最終回となる今回は、これからの時代に必要な
「モノづくりのあり方」について考えて参りました
19世紀末〜20世紀初頭に起きた2つの社会運動
イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動、日本の民藝運動は
ともに工業製品に対するアンチテーゼであり、同時に
工業化社会に対する異議申立てでもありました。
要は”手仕事のあり方”の模索は、100年以上前から行われており
同時にずっと解決できない課題であり続けたのです
明治以降に導入された「美術」「工芸」や「手芸」という概念
また「伝統」や「作家の個性」について深く考えることで、
これからの時代に必要な手仕事のヒントが得られるのではないか?
そんな思いで講義を進めて参りました
「モノづくりのあり方」を探ることは、作り手だけの問題ではなく
同時に使い手である我々全員に関わりのあることであり
これからの時代をどう行きていくのか、という問いでもあると思うのです
染織品という人の肌にいちばん近いものを通し、我が事として
様々な社会問題に関心をもって頂けたらと思っています
ご参加いただきました皆様に心より感謝申し上げます
宵衣堂 小野
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