北東アジアにまたがる樹皮利用

ちょこっと見どころ解説

【北東アジアにまたがる樹皮利用】

 

アイヌの「アットゥシ」、東北の「しな布」、丹後の「藤布」など

様々な樹皮から織物が作られていますが、

その利用は布だけにとどまりません

 

樹皮を”綯う”ことで非常に強い縄・綱を作ったり、

樹皮そのものを折曲げ・加工して

うつわや保存容器などにすることも

 

また、”編む”こと、”組む”ことで

かご・ざる・箕・背負子など

生活を支えた多様な道具類が作られてきました

 

非常に面白いことですが

この樹皮利用は本土だけにとどまらず

北海道のアイヌや、樺太のニヴフ・ウィルタなど

北方系の少数民族にも共通するもの

 

染織品・工芸品などをみていく際には

国内の枠組みで捉えるのではなく、

周辺地域を含むもっと広い視野を持つことが

大切なのではないでしょうか

 

次回の自然布Zoomレクチャーでは

そんな樹皮布の魅力をお伝えして参ります

 

東京国立博物館 本館1F 16室「アイヌと琉球」

アイヌのアットゥシ・樹皮製の笛

ニブフの樺皮細工の箱、などの展示